坂田聡(2006)『苗字と名前の歴史』吉川弘文館により「人名の変化」

 

 

 中世、特に戦国時代の村人(男性)たちは、ひとりひとりが複数の名前を持ち、成長して通過儀式を経るたびごとに名前を変えたり、あるいはケース・バイ・ケースで、いくつかの名前を使い分けたりしていた。もう少し具体的に述べると、彼らの多くは

    (1)少年時代の童名 (2)「烏帽子成り」の儀式により若衆となったときに名のる成人名

    (3)「官途成り」と呼ばれる儀式を済ませて老衆の仲間入りをした時に名乗る官途名

    (4)「入道成り」を遂げて出家した人物の名前である法名

の順で、名前を変えた。(P.17)

 

 坂田氏は、中世史の専門家で、特に上述書では、詳細な考察をもとに積極的に「家の成立期」について論じていている。

 私(井藤)は、あえて「統計数値」だけをもとに、庶民の名前史を追いたいと思っている。そのくらいなら私にもできると思っているのだが、いかがだろう。