(2) [郎]のグラフができた

1 本当に、[郎]が多いのか?

 

 本当に、明治維新生まれの男性は、[郎]が多いのでしょうか。「東京府」だけが多かったのでは?「上流階級」だけが多かったのでは? いろいろ気になってきました。そこで、いくつかデータを集めて、その合計でグラフを書いてみました。

 集めたデータは、『明治10年12月東京府 公立校 下等小学 卒業大試験優劣表』だけでなく「広島市広島大学附属東雲小学校」「松本市開智学校」「岐阜県白鳥小学校」「東京都千桜小学校」「豊田市挙母小学校」です。古本屋などで購入した『百周年記念誌』からです。総数37,000人の男性名が集まりました。

 

 そうして書いたグラフが下です。割合(%)と実数のグラフを並べてみました。

 

 


2 「大数の法則」を使って、庶民の名前史を数量的に見たい。

 

 これまで、「名前の歴史」に関しては、いくつか著作があります。しかし数量的に見た研究は、ほとんどありません。

 数量的に見るときに役立つのが「大数の法則」です。その法則は、「データ数が多いほど、理論上の値に近づく=ある程度のデータ数があれば、ある程度の法則が見つかる」というものです。

 この[郎]のグラフも、各地から集めた、各年100人以上のデータを使っているので、「理論上の値」が見えていると言っていいでしょう。

 さらにデータが得られれば、このグラフに加えていきたいと思っています。さらになめらかなグラフになることでしょう。

 

    ⤵️つづき (3)江戸時代の男の子の名前

 

 

    ⤵️(1)明治維新と男性名 に戻る

    ⤵️ホームに戻る